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植物工場LED照明、成長に適した光

植物の成長に適した光の種類は何か、それを見つけだす実験をしている資料を見つけました。植物工場に同じように興味を持っておられる方の参考になるかと思い、ここに整理しておくことにしました。

最近、植物工場の照明を調べているのですが、「発熱しない」「制御が楽」「消費電力が小さい」「屋内でも使用でき安全」などの理由により、LED照明を使うケースが多いです。

しかしLEDには波長によって植物の影響量が違うのか、赤・青・白などのものを混在して使っているのを見かけます。

そのため前に書いた記事では、次のように書きました。

以前書いた記事

・赤色LEDは、植物の光合成を活発にして発芽や茎の成長を促す。
・青色LEDは、葉や茎を光の方向に向ける働きがある。

・赤色LED(波長660ナノメートル)
・青色LED(波長470ナノメートル)

植物工場で多く採用されるLED照明とは

最近のLED照明

いろいろ調べていくと、光合成には赤色や青色の光が多く使われ、緑色の光は使われないようです。しかし一方では白色LEDを多く使用している照明も見かけます。

それでその内容をさらに調べていたら、次の資料を見つけました。

そのレポートには、発芽にも適した光が存在するのではないか、光の種類によって種子の発芽率に差があるのではないか・・ということで確認実験を行ったことについて書かれていました。

植物の種子には明発芽種子、暗発芽種子、中性発芽種子があります。

暗発芽種子としてはヘチマ、ケイトウ、明発芽種子としてはベビー菜、レタス、中性発芽種子としてはハツカダイコンを使用しています。種子選定の理由は、発芽までの期間がほぼ等しく短いためです。

☆注:考察の部分は、申し訳ありませんがレタスの部分のみ記載しています。

実験の内容

光源:
・4色のLEDを使用。赤、青、緑、白。

光量:
・最小値の赤色LEDで90~110ルクスとし、他のものもほぼ同じ照度になるよう照度計を使用して調整。

方法:
・シャーレの上に被せて光りを遮断する蓋を作り、その内側上部にLEDを取り付け。脱脂綿を敷いたシャーレの上に10粒ずつの種子を蒔き、1日おきに水をやりながら5日後に発芽率を調べるというやり方。

予想:
・緑色光よりも赤色光を当てたものが、より成長するのではないか。
・さまざまな波長の光が混じり合う白色光が、1番成長するのではないか。

考察(レタス):
・茎に関しては太さはどれも細く大きな差は見られず。色も薄い緑色をしていて、あまり差はみられない。
しかし、
・葉に関しては緑色光を当てたものだけが黄色に近い色をしている。そして葉の見た目が弱々しい。
・赤色光のものは他の色に比べてまっすぐに立っているものが多い。

結論:
・緑色光は光合成に適していない。
・緑色光を含む光よりも赤色光や青色光などの淡色光のほうが光合成に適していて、たくさんの養分がいられることがわかった。

・赤色光や青色光だけの光を当てて野菜を栽培すれば、より栄養価の高い野菜を栽培することができるのではないか。

最後に:
植物工場のことを調べていると、いろいろなおもしろいことがありますね。

植物を相手にしていると、生命の神秘というかしくみというか、とても興味深いなあと感じます。


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