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日本の植物工場実用化研究
植物工場というものに個人的にかなり興味があるので、まだ雪の降っているこの寒い時期には、植物工場のことについて調べています。
つい最近、日本の植物工場の歴史について書いてある記事を見つけました。
植物工場のはじまり
日本での植物工場の研究は、1974年に日立製作所の中央研究所で始めたのが最初のようです。
アメリカより10年以上も後発で、「農業の工業化」を実現するという目的で取り組みが開始。
スタンダードとなる植物にサラダ菜を選んで、植物工場のための必要な基本的な成長データを集めることから始められました。
植物工場には、太陽光を利用するタイプと人工光(ランプ)を利用する完全制御型のものとがあります。
人工光併用型
当時はルスナー式の立体回転栽培方式が注目されていたため、まずは日射が弱いときにランプで補光する、人工光併用型植物工場の実証プラントを作り栽培実験が実施されました。
この成果は1985年の筑波科学万博で、日立製作所の展示「回転式レタス生産工場」に生かされました。
これは当時珍しかったため、とても見学者が多かったようです。
完全制御型
そしてその次は、完全制御型の実証プラントを作り、実験室データの実地での再現性などが調べられました。
光源は、当時もっぱら植物工場に使われていた高圧ナトリウムランプだったようです。
この研究は、同じ1985年にダイエーが千葉県のショッピングセンター「ららぽーと」の野菜売り場の奥に作った「バイオファーム」に生かされました。
ららぽーとのバイオファーム
いま流行りのレストランなどに併設する「店舗型植物工場」の走りといえます。
野菜売場奥の20坪ばかりの空間を植物工場に当て、売り場の横に大きな窓を作って、お客さんが工場を見渡せるようにしたものです。
毎日100株ほどの新鮮な無農薬レタスを生産し、目の前の野菜売場で1株198円で「産地直売」されました。
デモ用のため採算性は問われなかったようです。
これも大きな反響を呼び、植物工場の第一次ブームを呼び起こすきっかけになりました。
このようにして、少しずつ植物工場というものが日本社会に認識されるようになり、多くの企業が農業の工業化という課題に取り組むようになっていきました。
(続く)
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