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植物工場と外食チェーン

植物工場で安定した品質の野菜が作れるようになってきているのですが、やはりネックになっているのはコスト。

露地ものの倍くらいのコストがかかるため、付加価値をつけられないとどうしても拡大するのがむずかしいという状態。

それでもここ最近は、外食チェーンの参入する例が増えてきています。無農薬の野菜を目に見えるところで作り、安心さをアピールするというようなコンセプトでやっているのですね。

新たに参入してくる企業の多くは、今のところは実験や企業の宣伝と位置づけて取り組んでいるところが多いようです。

サンドイッチの日本サブウェイ

サンドイッチチェーンを展開している日本サブウェイは、平成10年に政府の補助金を受けて、東京丸の内に「野菜ラボ」を出店しました。

販売する店舗の横には、植物工場を併設して。店産店消というコンセプトで、客席エリアの中央部分に小型植物工場ユニットを設置し、フリルレタスなどを育てています。

生産量は店舗で使用するレタスのわずか3~5%程度で、到底採算が合わない状態なのですが、サブウェイの食の安全に対するイメージをアピールするための戦略的コーナーとなっているようです。

居酒屋チェーンのコロワイド

他方、採算を確保するために本腰を入れて取り組む企業も出てきています。「北海道」などの居酒屋チェーンを展開するコロワイドです。

2億円を投じて子会社のコロワイドMD神奈川工場に植物工場(敷地面積:346平方メートル)を設置。昨年6月1日から稼働を開始しています。

自分の関係者がコロワイドの本社に入っているので、妙に気になり注目している会社です。それが植物工場をやっているのを知って、とてもびっくりしました。

植物工場を作った目的は、野菜の仕入れ価格を安定させることのようです。ここ数年、猛暑や厳冬などで、葉物野菜の価格が頻繁に高騰しています。

コロワイドもその影響を大きく受けました。
「野菜はほかの食材と比べて値段の上下が大きく、安定調達がむずかしい」と、コロワイドMDの井上社長。

「同じ重さのレタスを買ったとしても、作柄によって使える分量がものすごくぶれる」

そこで、植物工場を使って質のいい野菜の安定調達を図ろうという訳です。

コロワイドの植物工場戦略

同社の戦略のすばらしいのは、植物工場を食品加工場の2階に設置したこと。収穫した野菜を1階の食材加工場に移せるようにして、物流コストを極限まで抑える体制を整えたということです。

物流コストを抑えて、且つジャストインタイムで供給。

生産できる量は、コロワイド全体で使う野菜の量に比べると、かなり少ないようですが、「今後は収穫量を増やして、流通コスト込みで、数年のうちに露地ものと同じぐらいの価格まで持っていきたい」と話していました。


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